はじめに
最近残量不足になった電池の処分に困っています。
処分するのが面倒、というのもそうですが、それらの電圧を測定すると1.0[V]以上あったりとまだまだ電圧はあるんですよね。
自電車の外付けライトに単三乾電池2本直列で使用しているのですが、1.2[V]を下回ると途端に光量が暗くなるので変えなきゃいけない。
なんか、こう、もったいない。
もったいないお化けがでて1.0[V]付近の電池が大量に在庫として残っている状態です。
そこで私考えました。1.5[V]単三乾電池2本直列で3[V]のライトなら、1.0[V]まで落ち込んだ単三乾電池3本合わせれば3[V]になるのではないかと(錯乱)。
この作戦で不要となった残量低下単三乾電池を消費していこうと思います。
降圧用コンバーターの使用
とはいえ、ぴったり1.0[V]の単三乾電池が3本都合よくあるわけがございません。1.1[V]だったり0.9[V]だったりするわけです。
それらばらついた乾電池を直列で使用してしまうと、合計電圧3[V]を超えてしまうかもしれない。
よって降圧用コンバーターを使用して3[V]まで落とした状態で使用します。
以下の条件で降圧用コンバーターを選定しました。
- 入力電圧は最大12[V]。満タンの単三乾電池8本で最大電圧12[V]までを想定。
- 出力電圧は3[V]と1.5[V]付近。単三乾電池2本と1本で動く製品で使用。
- SOP8変換基板が使用できること(以前のCH32Vマイコンで余ってた)。
- 降圧方式はスイッチングレギュレーターでなるべく高効率なもの
探してみるとちょうどいいのが秋月電子で販売されていました。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g129590/
発売日も2024年8月2日と割と新しめ。これを使っていきます。
アマゾンでも購入できるようです。
10個 RT8250GSP RT8250 SOP-8 IC RICHTEK IC REG Buck SYNC ADJ 3A
ブレッドボードで回路を構築
秋月電子のHPにデータシートが付属されているので回路図を見ながら構築していきます。
3.3[V]出力回路
3.3[V]を出力する回路です。
ここでオリジナルが発動!
データシートの回路図から以下の点を変えています。
- Cbootの値が10[nF]なのを3900[pF]を3つ並列に合わせることで、3900×3=11,700=11.7[nF]で代用。
- 理由はセラミックコンデンサーの購入単位が10個で余っていたから。Cc用で購入したもので統一。
- L1の値が10[μH]なのを3.3[μH]を3つ直列に合わせることで、3.3×3=9.9[μH]で代用。
- 理由はマイクロインダクターの購入単位が10個で余っていたから。後述する1.2V出力用のものと統一。
- R1で26.1[kΩ]、R2で10[kΩ]必要なのを、6.8[kΩ]の抵抗を直列、並列組み合わせて代用。
- R1は6.8×4=27.2[kΩ]、R2は6.8+6.8/2=10.2[kΩ]で代用
- Rc用で購入した6.8[kΩ]の抵抗がセール価格で100本で売られていたので統一。
電池が捨てられない病に加え、抵抗やコンデンサ等の購入もケチった結果こういう回路になってしまいました。
計算上は問題ないはず。。。
ブレッドボードへの構築は下写真のようになりました。
入力電圧は残量が減った単三乾電池8本を使用して合計電圧11.05[V]です。ちゃんと3.3[V]出力されていました。
以前CH32VマイコンのプログラムでLチカプログラムを書き込んだCH32Vマイコンがあったので、試しにこの降圧回路で動かしたところ、プログラム通り動きました。
1.2[V]出力回路
1.2[V]を出力する回路です。
ここでもさっきと同じようにオリジナルを発動。
- Cbootはさっきと同じで並列接続で再現。
- R1とRcはそれぞれ3[kΩ]が必要なところを6.8[kΩ]の並列で再現。
- R2(上回路図ではR9と記載されている部分)は10[kΩ]が必要なところを3.3V出力回路と同じように直列、並列組み合わせて再現。
こんな感じで在庫の多い部品を有効活用しました。
これも入力電圧は11.05[V]です。
ちゃんと1.2[V]出力できていたので、単三乾電池1本で動く時計を接続させたところ問題なく動きました。
謎の不調
ブレッドボード上で再現できたため、これらをユニバーサル基板へはんだ付けして実用的にしていきました、が。
なぜか謎の不調が発生。
電圧を入力しても3.3[V]どころか1.5[V]も出力されなくなりました。
私のはんだ付けがへたくそなのかと一度部品を外してブレッドボードで再現しても改善されず。。。
原因を考察してみました。
- 使用した変換基板が良くない。
- 使用した変換基板ではExposed Pad(GND)へのはんだ付け面を持たない。
- RT8250GSPは熱を持つため、サーマルパッドを持つ変換基板を使用したほうがいい。
- 推奨電子部品ではなく、オリジナルで並列、直列接続で電子部品をケチったのが良くなかった?
とりあえず1番に関してはHSOP8の変換基板を使用したRT8250GSPを新たに用意しました。
秋月電子で売られていたので購入しました。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g115952/
2番に関してはケチらず推奨電子部品を用意しました。
これで3.3V出力回路をもう一回ブレッドボードに組み込みます。
やっぱり並列や直列部品が減ったのですっきりしました。
入力電圧は11.09[V]くらい。前と一緒くらいですね。3.4[V]出力されているので問題ないと思います。
上写真で使用しているRT8250GSPはHSOP8変換基板を使用しているものです。
この状態でRT8250GSPを前のSOP8変換基板を使用したものと交換してみます。
出力電圧は同じくらい。問題は無いです。
変換基板の違いではなく、オリジナルで部品の直列、並列を組み合わせたのが問題だったのでしょうか?
最初に構築したときは問題なかったことを考えると、もしかすると短絡していたのかもしれません。
次はRT8250GSPと抵抗やコンデンサ等をはんだ付けした基板とを別基板にして評価してみたいと思います。